
最強伝説 黒沢
──私が最も大事にしていること
こんにちは、矢野けいたです。
今日は、私が大切にしている漫画について書きたいと思います。
私が福本伸行先生の作品に出会ったのは、小学生の頃。
当時『カイジ』を読んで、非情な世界と、それでも情を捨てきれない主人公に強く心を動かされました。
そして、大人になって出会ったもう一つの傑作──『最強伝説 黒沢』。
この作品から、私は今でも大事にしている教えを受け取りました。
黒沢は、建設現場で今も働きながら、
誇りと孤独を胸に、それでもなお人間らしさを捨てずに生きている男です。
物語の中で、彼はホームレスの人々を侮辱する若者たちに向かって、こう語りかけます。
「心の中で人を軽んじたり、見下したりすることは、誰にでもある。
それ自体は、極悪なことじゃない。
でも──そこで止まれ。
その先へ行ったら、人を虫けら扱いしたら、もうダメだ。」
この言葉が、私には強く響きました。
たしかに、私たちは、知らず知らずのうちに人を軽んじてしまうことがある。
それ自体は、誰にでも起こる自然なことかもしれない。
でも、そこから先に行かないこと。
それ以上、人間の尊厳を踏みにじらないこと。
それが、黒沢の、そして人間としての最低限のルールだと思います。
私はこの教えを、
自分の中で「絶対に破ってはいけない掟」として、今も大切にしています。
いま、世の中には、
人の弱さに平気で漬け込むような風潮も見られます。
特にSNSなどでは、
人を軽んじるどころか、平気でそのラインを超えてしまう光景を目にすることもあります。
私はそれを、残念だと思う一方で、
止めることができるとも、簡単に変えられるとも思っていません。
ただ、
「自分も、時に誰かの心を踏みにじってしまうかもしれない」
そう自覚し続けることができたなら、
それだけで十分、人間らしい人間なのだと思っています。
もし、まだ『最強伝説 黒沢』を読んだことがない方がいたら、
ぜひ一度、静かに読んでみてください。
そこには、
かっこ悪くても、不器用でも、
それでも人間らしく生きようとする姿があります。
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